「DXを進めたい」
そう言われても、何から手をつければいいか分からず、ため息をついていませんか?
「高いシステムを導入しなきゃいけない」「プログラミングの知識がないと無理そう」
——そんなふうに身構えてしまう方も多いかもしれません。
ですが、DXは必ずしも大がかりな取り組みから始める必要はありません。
まず大切なのは、今あるツールを少しだけ工夫して使う「最小DX」です。
DXの目的は、便利な道具を使って「日々の面倒な仕事」をラクにすること。
その第一歩として、毎日何気なく使っているGoogleカレンダーやGoogleドキュメントを、
「強力な業務改善ツール」に変えてみませんか?
「そもそも最小DXって何?」という方は、まずはこちらの記事で全体像をつかんでみてください!

最小DXで変わる!業務のBefore/After
これから紹介する最小DXを行うことで、以下のような効率化が図れるはずです。
| 項目 | 従来のやり方 | 最小DX(Google活用) |
| 情報探し | 過去のファイルを1つずつ開いて探す | AIに質問して5秒で解決 |
| 議事録作成 | 会議後に思い出しながら入力 | 会議中に自動で土台が完成 |
| 社内問合せ | 担当者がその都度チャットで回答 | AIチャットボットが24時間代行 |
【ステップ1】Googleカレンダーの「記録機能」で、議事録を自動生成
DXの第一歩は、バラバラになっている情報を「一箇所に集める」ことです。
中でも一番の宝の山は、日々の「会議の記録」です。
「メモ帳に書いてそのまま」「チャットに送って終わり」…これでは後でAIが活用できません。
そこで、Googleカレンダーにある「記録機能」を使いましょう。
1クリックで「議事録」の土台を作る
※補足: 本機能は、Business Standard / Plus、Enterprise Standard / Plus、Frontline Plus などの対象プランでご利用いただける機能です。

- Googleカレンダーで予定を開き、編集画面の「Google Meetに参加する」の横にある設定ボタン(歯車アイコン)をクリックします。
- 「会議の記録」という項目にある「Geminiでメモを生成する」や「会議を文字起こし」のチェックボックスをオンにし、言語を選びます。
- あとは保存するだけ。
これだけで、Google Meetに入った瞬間、会議名・日付・参加者が入力された「Googleドキュメント」が作成され、文字起こしや要約が自動で記録されます。
この「整理されたデータ」こそが、次に紹介するAIを使いこなすための「燃料」になります。
【ステップ2】NotebookLMで「自社専用の知恵袋」を作る
次に、たまった議事録を「あなたに代わって中身を覚えてくれるAI秘書」に読み込ませます。
ここで使うのが、Googleが提供している「NotebookLM」というツールです。
「AIって勝手に間違った情報を混ぜるんでしょ?」と心配な方もご安心ください。
NotebookLMは、一般的なAIとは違い、「あなたが渡した資料(ソース)」に基づいて回答を作成する仕組みになっています。
そのため、情報の誤生成(ハルシネーション)が起きにくく、ビジネスでも安心して使いやすいのが特徴です。
AI秘書を作る3つの手順

- NotebookLMを開く: NotebookLMにアクセスし、新しいノートブックを作成します。
- ソースを読み込ませる: 「Googleドライブ」を選択し、ソースとなるファイルを選びます。もしくは「ファイルをアップロード」より、任意のファイルを直接アップロードします。
これだけで、AIがあなたの会社の議事録をすべて読み込み、「読み込ませた情報ならすぐに答えられる、優秀な秘書」が誕生します。
【活用例①】議事録AIに「あの件どうなった?」を聞いてみる
AI秘書ができたら、チャット欄で自由に質問してみましょう。
- 「先週のA社との打ち合わせで、宿題になったことは何?」
- 「最近の会議で、みんなが不満に思っている共通点は?」
- 「過去3回の会議をまとめて、部長に報告する用の要約を作って」
これまで「あの件、どこに書いてあったっけ……」と古いドキュメントを1件ずつ開いて探していた時間が、わずか数秒に短縮されます。
これこそが、最小限の手間で最大の効果を生む「最小DX」の姿です。
【活用例②】社内規定を読み込ませて「バックオフィスの救世主」に
NotebookLMの凄さは、議事録だけにとどまりません。
「社内の就業規則」「経費精算マニュアル」「申請ルール」などのPDFやドキュメントを読み込ませてみてください。
一瞬にして「総務・人事専用のマニュアルチャットボット」の完成です。
もう、同じ質問に答えなくていい
バックオフィス担当者を悩ませる、「経費の申請ってどうやるんでしたっけ?」「忌引きって何日休めますか?」といった、社員からの繰り返しの質問。
これらをすべてAIが代行してくれます。
- 社員:「領収書をなくした時はどうすればいい?」
- AI:「『経費精算規定 第5条』に基づき、出金伝票に理由を記載して上長の承認を得てください。」
このように、ソース元の規定に基づいた正確な回答をしてくれます。
バックオフィスが確認や回答に費やしていた手間が、この「最小DX」によって大幅に削減できるのです。
【まとめ】 最小DXの「その先」へ
今回ご紹介した方法は、今すぐ始められるDXの入り口です。
「AIを使って仕事がラクになった!」という成功体験を一度味わうと、現場の雰囲気はガラリと変わります。
- 「もっとこの作業を自動化できないか?」
- 「顧客管理データとも連携させたい!」
そんな欲求が出てきたら、ノーコードツールの導入を検討し始めても良いかもしれません。
プログラミングができなくても、Google Workspaceと連携した高度な業務システムを簡単に作ることができます。
まずは、明日からの会議でカレンダーの「メモ作成」ボタンを押すところから。
小さな一歩が、あなたの会社の未来を大きく変えるはずです。

