「ノーコードってよく聞くけど、本当に自分でも使えるの?」
「メリットだけじゃなくて、リスクや注意点も知っておきたい」
このような悩みはありませんか?
ノーコードツールは、プログラミングができなくても業務アプリやWebサービスを作れる仕組みとして注目されています。
時間やコストをかけずに、自分の手で業務を改善できる点に魅力を感じている方も多いでしょう。
一方で、「自由度はどこまであるのか」「セキュリティは問題ないのか」など、不安な気持ちもありますよね。
本記事ではノーコードの基礎知識だけでなく、メリットやデメリット、ノーコードが向いているケースまで解説しています。
- ノーコードとローコードの違いと仕組み
- ノーコード開発のメリットとデメリット
- ノーコードツールが向いている業務と選び方
ノーコードツールの具体的な選び方まで解説しているので、導入を検討している方はぜひ最後までご覧ください。
すぐにでも試したい方は無料でお試しできるプラスAppsを試してみてください。
ノーコードとは
ノーコードとは、プログラミングの知識がなくても、業務アプリやWebサービスを作れる開発の方法です。
直感的な操作画面を使って構築するため、IT部門以外の担当者でも扱いやすい点が特徴です。
特に、スピードとコストを重視したい企業に注目されています。
以下では、ノーコードツールの基本やローコードとの違いについて、さらに詳しく説明します。
ノーコードツールとは
ノーコードツールとは、コードを一切書かずにアプリや業務システムを構築できるツールを指します。
操作はブロックを組み立てるような感覚で進められ、画面上のドラッグ&ドロップによって直感的に作業できる点が特徴です。
専門的な知識がなくても扱えるため、エンジニアではない現場の担当者でも、自分たちの業務に合ったツールを自ら作成できる点が大きな強みです。
たとえば、Googleフォームを使って予約受付フォームを作成したり、Airtableで顧客管理アプリを構築したりといった使い方が実際に広く取り入れられています。
加えて、操作画面は視覚的にわかりやすく、レイアウトの変更や内容の追加もすぐに反映されるため、プロトタイプを素早く作成したい場面にも適しています。
このようなツールを活用すれば、外部への開発依頼に頼らず、社内だけでスピーディーに業務改善を進めることが可能です。
実際、導入から構築、改善までを現場主導で完結させている企業も増えています。
そのため、スピード感を持って業務改善に取り組みたい企業にとって、ノーコードツールは現実的で効果的な選択肢といえるでしょう。
ノーコードとローコードの違い
これに対して、ローコードはビジュアル操作をベースにしながらも、一部の処理ではコードの記述を求められます。
そのため、少し複雑な機能や柔軟なカスタマイズを加えたい場合には、ローコードが適した選択になります。
ノーコードは、業務アプリやシンプルなWebサービスの開発に向いており、特に、定型的な業務フローを効率化したい場面では、大きな効果が期待できるでしょう。
たとえば、社内アンケートや問い合わせフォーム、スプレッドシート管理の移管など、構成がシンプルなアプリにはノーコードが適しています。
一方で、ローコードはプログラミングを組み込むことで、API連携や独自ロジックの実装といった、やや高度な開発ニーズに対応しやすいツールです。
特に、デザインや機能を細部まで調整したい場合や、社内の他システムと統合させたいといった要件がある場合には、ローコードの柔軟性が大きな武器になります。
ローコードで高度な開発をするにはプログラミングやシステム設計のスキルが必要になります。
自社内の体制やITスキルにあわせて、より適したツールの選定が重要です。

ノーコードが注目される理由
ノーコードは、企業のIT化や業務改善を加速させる方法として注目されています。
特に、以下3つの理由で注目されています。
- DX推進やテレワークの普及
- IT人材不足・開発コスト高騰
- 世界的な大企業がノーコード開発会社を買収
それぞれの背景について、詳しく解説していきます。
DX推進やテレワークの普及
DX推進やテレワークの普及に伴い、業務のデジタル化はこれまでになく加速しています。
特に、社内のシステムを柔軟に改善したいというニーズが高まっており、スピード感と柔軟性を兼ね備えたノーコードの重要性が増しています。
たとえば、新型コロナウイルスの影響で出社が制限された際、紙ベースの管理や対面でのやりとりに課題を感じた企業も少なくありませんでした。
その結果、Webフォームや勤怠管理アプリを導入しなければならなくなったケースも多く見られます。
このような状況下では、外部のベンダーに依頼していては間に合わないため、現場で迅速に対応できるノーコードツールが非常に役立ちました。
こうした背景を踏まえると、業務の変化に素早く対応したい企業にとって、ノーコードは実用性の高い選択肢といえるでしょう。
現場主導での開発を可能にする点も、導入を後押しする大きな要因になっています。
IT人材不足・開発コスト高騰
IT人材不足と開発コストの高騰が、社内システム整備の妨げになっています。
特に中小企業では、エンジニアの確保が難しく、システムの内製化が思うように進まないという課題を抱えているケースが多く見られます。
こうした状況でも、ノーコードであればIT部門や現場の社員が開発を担えるため、人材不足の影響をある程度抑えることが可能です。
たとえば、Google スプレッドシートと連携した在庫管理アプリを、業務担当者が自ら構築したという事例もあります。
外注せず、現場主導でシステムを作れる点は、ノーコードの大きな強みといえるでしょう。
また、導入のハードルが低く、少人数でもスピーディーに開発を進められる点も、多くの現場で支持されている理由のひとつです。
世界的な大企業がノーコード開発会社を買収
ノーコードが注目を集めている理由のひとつに、世界的な大企業が関連ツールを次々と買収しているという動きがあります。
開発の在り方が大きく変化しようとしている中で、ノーコード・ローコード市場への関心は一気に高まりました。
たとえば、Googleは「AppSheet」を買収し、Microsoftは「Softomotive」を傘下に取り込んでいます。
これらはいずれも、非エンジニアでも業務自動化やアプリ開発を可能にするツールであり、企業の現場主導による開発ニーズに応えるものです。
さらに、SalesforceやAmazonといった他の大手企業も、同様に関連分野への投資を加速させており、市場の広がりが感じられます。
このように、名だたる企業が続々とノーコード領域に参入している現状からも、ノーコードが今後の業務開発において有力な手段であることが十分にうかがえます。
ノーコード開発の5つのメリット
ノーコード開発は、現場で発生する課題に対してスピーディーに対応できる点が大きな魅力です。
実際に、ノーコード開発には次のようなメリットがあります。
- プログラミング知識がなくても扱える
- 開発にかかる時間やコストを大幅に削減できる
- リリース後の修正や改善にも柔軟に対応できる
- DX推進や新しいアイデアの検証・実装がしやすい
- 導入のハードルが低く、すぐに試せる
それぞれ解説していきます。
プログラミング知識が不要
プログラミングの知識が不要という点は、ノーコードの大きな魅力のひとつです。
非エンジニアでも主導して開発に参加できるため、現場のニーズをそのまま形にしやすくなります。
たとえば、営業担当が自分で顧客管理アプリを作成する場合、開発者を介さずに、業務フローに即した画面構成や入力項目を自由に設定することが可能です。
実際の業務をよく知る人が手を動かすことで、仕様のズレや伝達ミスを防げる点も大きなメリットといえるでしょう。
開発時間・開発コストの削減
ノーコードは、開発にかかる時間やコストの削減にもつながります。
外注に頼らず、大規模なプロジェクトを立ち上げることなく、小規模でもスピーディーにアプリを開発できるのが特長です。
たとえば、新しい業務フローを試すために、数日で試作版(PoC)を作成し、社内でテストを進めるといったケースがあります。
これまでであれば、開発には数週間単位のスケジュールを見込む必要がありましたが、ノーコードを活用すれば、現場でその日のうちに構築し、即座に試すことも可能です。
このように、ノーコードは、開発スピードと開発コスト削減を両立させたい現場にとって、実用性の高い手段といえるでしょう。
修正・改善が容易
ノーコードは、修正や改善をスムーズに行える点も大きな特徴です。
マウス操作を中心としたGUI設計が基本となっているため、現場の要望をそのまま反映しやすいという利点があります。
たとえば、問い合わせフォームに「折り返し希望時間」の入力欄を追加したい場合でも、項目をドラッグして配置し、保存するだけで即時に公開することが可能です。
さらに、リリース管理や過去バージョンの復元もツール上で簡単に完結できるため、わざわざ外部に依頼する必要はありません。
このように、開発スピードに加えて、変更や改善のスピードも求められる業務においては、ノーコードは、そうした現場のニーズにぴったり合う選択肢といえるでしょう。
DX推進や新しいアイデアの検証に最適
ノーコードは、DX推進や新しいアイデアの検証といった用途にも適しています。
というのも、大規模なシステムを本格導入する前に、必要最低限の機能だけを備えた試作品(MVP)を短期間で作成・検証できるからです。
たとえば、新しい予約受付機能の導入を検討している飲食店が、ノーコードツールを使って予約フォームと在庫管理を連携させたMVPを一週間ほどで構築し、実際の店舗で運用テストを実施したといった事例もあります。
このように、スピーディーな構築と検証が可能になることで、仮説の精度を高めることにもつながります。
アイデアをすぐに形にして試してみたい企業にとって、ノーコードはDXの初期段階において非常に心強い手段といえるでしょう。
導入ハードルが低い
ノーコードは導入ハードルが低く、無理なく業務改善に取り組める点が魅力です。
特に、オーバースペックな専用ツールを導入するのではなく、必要な機能だけに絞って活用できる点が、多くの現場で支持されています。
たとえば、毎月の勤怠管理をクラウド上で行いたいだけなのに、大規模な勤怠管理システムを導入するのは非効率です。導入期間やコスト面でも負担となるため、慎重な判断が必要となります。
それよりも、Google スプレッドシートと連携したWebアプリを、ノーコードツールを使って数時間で構築する方が、実際の運用に即したスマートな方法といえるでしょう。
このように、「まずは小さく始めてみたい」と考えている現場にとって、ノーコードは導入の手間や費用を抑えながら、スピーディーに業務改善を進められる現実的な選択肢です。
特別なスキルがなくても扱えるため、非エンジニアの社員でも積極的に活用しやすいのも特長です。
ノーコード開発の3つのデメリット
ノーコードは手軽に導入できて便利な一方で、注意しておきたい点もいくつかあります。
メリットだけに目を向けてしまうと、導入後に思わぬトラブルに直面する可能性もあるため、事前の理解が欠かせません。
実際、ノーコードには以下のようなデメリットが存在します。
- 自由度・拡張性がやや制限される
- プラットフォームに依存することがある(ベンダーロックイン)
- セキュリティや大規模運用の懸念
ここからは、それぞれのデメリットについて詳しく解説していきます。
自由度・拡張性がやや制限される
自由度や拡張性にやや限界がある点は、ノーコード開発における弱点のひとつです。
ノーコードはあらかじめ用意された機能やパーツを組み合わせて使う仕組みであるため、複雑な業務ロジックや独自仕様の実装には向いていません。
たとえば、在庫管理と販売管理を複雑に連携させたいケースや、複数の業務部門をまたいだワークフローを構築したい場合などでは、ノーコードツールだけでは対応しきれない可能性があります。
さらに、計算ロジックやデータ処理の工程が複数段階にわたるような業務では、途中で構築が困難になることも考えられます。
このように、高度な機能や柔軟なカスタマイズが求められるプロジェクトでは、ノーコードの制約をあらかじめ理解しておくことが重要です。
場合によっては、ローコードや従来の開発手法との併用も検討する必要があるでしょう。
プラットフォームに依存することがある(ベンダーロックイン)
プラットフォームへの依存が発生しやすい点も、ノーコード開発における注意点のひとつです。
特定のツールに頼りきってしまうと、将来的な仕様変更やサービス終了といった事態の影響を大きく受ける可能性があります。
たとえば、あるノーコードツールが突然料金体系を見直した場合、それまでのコスト感で運用できなくなり、予算を大きく圧迫する事態になるかもしれません。
さらに、API機能の仕様が変更されてしまうことで、これまで連携していた外部サービスが使えなくなるといったトラブルも起こり得ます。
このように、ツールの利便性だけで選んでしまうと、後々の運用で思わぬリスクに直面する可能性があります。
セキュリティや大規模運用の懸念
セキュリティ面や大規模運用に関しては、ノーコードにも弱点があるため、業務の規模や扱うデータの性質に応じて慎重な判断が求められます。
特に、個人情報や機密性の高いデータを扱う業務では、利用するツールの安全性について十分に確認しておくことが大切です。
たとえば、フォーム作成ツールを使って個人の住所や電話番号を収集する場合、データの保管先が海外サーバーになるケースもあります。
その場合、国内の法令や社内規定に照らして、情報の取り扱いが適切かどうかを事前に評価しておく必要があります。
このようなリスクを回避するためにも、ノーコードを導入する際は、社内のセキュリティポリシーや関連法規に沿った運用体制を検討したうえで進めることが重要です。
ノーコードツールが向いているケース
ノーコードツールが特に効果を発揮するのは、スピードとコストのバランスを重視したい中小規模の業務開発や、専門人材が不足している現場です。
特に、ITリソースが限られている企業では、導入のハードルが低く、非常に有効な選択肢といえるでしょう。
たとえば、既存の勤怠管理システムに新たな申請フローを追加したい場合、ノーコードを使って部分的に補完するという方法があります。
そのほかにも、学校での出席管理アプリや、製造業の検品記録システムなど、現場に密着した小規模な用途で幅広く活用されています。
さらに、教育機関でのシステム整備や、PoC(概念実証=アイデアの検証)段階の短期開発にも適しており、実際の利用シーンを確認しながら改善を重ねていきたいケースにもうってつけです。
このように、社内のデジタル化を急ぎたい一方で、エンジニアの確保が難しい企業にとっては、ノーコードの導入を前向きに検討する価値があります。
ノーコードツールが向かないケース
ノーコードツールは便利ですが、すべての開発に適しているわけではありません。
特に、システムの規模が大きかったり、要件が高度だったりする場合には、対応が難しくなるケースも見受けられます。
たとえば、1万人以上のユーザーが同時にアクセスするような大規模な業務システムでは、ノーコードでは処理速度や拡張性に限界が出る可能性があります。
また、業務フローが入り組んでいて、複数の外部サービスや社内システムと連携する必要がある場合も、想定通りに動作しないケースが出てくるかもしれません。
さらに、金融や医療などセキュリティ要件が厳しい業界では、社内基準に細かく対応する必要があるため、注意が必要です。
プラットフォーム側の仕様に制限されるため、すべての条件を満たすのが難しくなる場合もあります。
加えて、独自のUIをゼロから設計し、ブランドイメージに合わせて細かなデザイン調整を行いたい場合には、ノーコードの機能では対応が難しくなる場面もあります。
自社のデザインポリシーを細部まで反映したいときには、従来の開発手法を選択した方がいいでしょう。
ノーコードツールの選び方
ノーコードツールを選ぶ際は、「なんとなく便利そう」だけで決めてしまうと後悔につながります。
用途や環境に合っていないツールを選ぶと、使いづらさやコストの無駄が発生します。
以下の4つのポイントを押さえて、ノーコードツールの選び方を整理しましょう。
- 利用目的・用途の明確化
- コストと機能のバランス
- 対応デバイス
- サポート体制・日本語マニュアル
利用目的・用途の明確化
ノーコードツールは、使い道によって必要な機能が大きく異なります。
そのため、まずは利用目的を明確にすることが重要です。
たとえば、Webサイトの制作が目的であれば、デザインの自由度やレスポンシブ対応の有無は確認すべきポイントです。
業務の効率化を目指す場合は、入力フォームの管理、帳票の出力、ワークフローの自動化といった機能が求められます。
ECサイトを構築したい場合には、カート機能、決済サービスとの連携、在庫管理のしやすさなども重要になります。
また、アプリ開発を想定しているなら、API連携、ユーザー認証、モバイル対応の有無にも注目してください。
このように、重視すべき機能は用途によって異なります。
導入後に機能不足で困らないためにも、あらかじめ目的を明確にし、必要な機能をリストアップした上でツールを選ぶことが大切です。
コストと機能のバランス
ノーコードツールは無料で使えるものも多いですが、無料プランでは制限が多く、業務利用には向かないことがあります。
そのため、有料プランに切り替える前提でコストと機能のバランスを見ておく必要があります。
チェックしておきたい主な項目は以下の通りです。
- 無料プランの有無と制限内容
- ユーザー数制限や同時編集の可否
- データベース容量の上限
- サーバー利用料やデプロイ費用の有無
- 商用利用の可否
たとえば、ユーザー数が5人を超えると有料になるツールもあります。
また、月間アクセス数が多いと追加費用が発生するケースもあるため、将来の運用も見据えて選ぶ必要があります。
対応デバイス
ツールを選ぶ際は、どのデバイスに対応しているかを事前に確認しておく必要があります。
特に現場作業や営業など、PC以外の端末で業務を進めるケースが多い職種では、慎重にチェックしてください。
確認すべき主なポイントは以下のとおりです。
- スマートフォンやタブレットでも操作できるか
- 各デバイスで表示が最適化されているか(レスポンシブ対応)
- モバイルアプリとして導入や公開ができるか
- オフライン環境でも操作が可能か
たとえば、外回りが多い営業職やフィールドワークが中心の業種では、スマホでの操作性がそのまま業務効率に直結します。
もしモバイル対応が不十分なツールを導入すると、結局PC中心の運用に戻ってしまい、想定していた導入効果が得られないケースもあります。
現場の利用シーンを想定しながら、デバイス対応の観点からもツールを選ぶことが大切です。
サポート体制・日本語マニュアル
ノーコードツールを安心して導入・運用するには、サポート体制の充実度と情報のわかりやすさが大きな判断材料になります。
特に導入初期やトラブル対応、機能の追加・変更を行う場面では、サポートの有無によって使い勝手に大きな差が出てきます。
選定前には、以下のような点をチェックしておくと安心です。
- 問い合わせ窓口の有無(チャット・メール・電話など)
- 日本語でのチュートリアルやマニュアルが用意されているか
- ユーザー同士が情報交換できるコミュニティがあるか
- FAQや操作解説動画が定期的に更新されているか
たとえば、ヘルプページが英語のみの場合、日本語に慣れたユーザーにとっては理解しづらく、導入の障壁になります。
反対に、日本語で丁寧に書かれたマニュアルが整っていれば、操作に不安を感じているユーザーでもスムーズに利用を始めやすくなります。
サポート体制の質は、日々の業務に直結するため事前に確認しておき、運用後に困らない環境を整えておきましょう。
ノーコード開発の活用事例
ノーコード開発は業種や企業規模を問わず、実際の業務改善に直結する方法として導入が進んでいます。
ここでは、ノーコードツールを活用して業務効率化やユーザー体験の向上を実現している企業の事例を紹介します。
- 株式会社ヤマダホールディングス
- エンプティ株式会社
株式会社ヤマダホールディングス
ヤマダホールディングスでは、グループ全体の業務デジタル化を進めるため、ノーコード開発基盤としてSmartDBを導入しました。
全国に展開する事業体制のなかで、紙の申請書類が増え続けており、承認業務の負荷や遅延が課題となっていました。
そこで、承認フローや各種社内申請のシステム化をノーコードで実施。
これにより、1週間以上かかっていた承認リードタイムが即日に短縮され、1年間で約300時間の工数削減を実現しました。
現在は10以上のアプリがSmartDBで内製化されており、申請内容の履歴管理やログ確認も含め、業務効率とガバナンスの両立を実現しています。
企業規模が大きくなっても柔軟に対応できるノーコードの有効性が表れた事例です。
参考:ヤマダホールディングス|「SmartDB」でDXの土台となる内製化基盤を構築~10以上の業務を現場主体で続々とノーコード開発~
エンプティ株式会社
エンプティ株式会社は、無人レンタルドレスショップ「Empty Dressy」の全自動化を実現するため、ノーコードツールを活用しました。
ShopifyやLINE連携を中心に、店舗業務全体のフローを自動化し、2021年3月に完全無人の運用をスタートさせています。
来店予約から鍵の受け取り、ドレスの登録、返却通知まで、すべてがLINEを通じて24時間自動で対応可能です。
ユーザーは人を介さずに好きな時間に予約・試着・返却ができ、利便性と衛生面の両立を実現しました。
導入後のアンケートでは、88.6%の利用者が「店員がいないほうが良い」と回答しており、非接触ニーズにも適応したサービスとして高い評価を受けています。
人手に頼らない店舗運営の成功例として注目されている事例です。
参考:実店舗なのにLINEで完全自動化!無人のレンタルドレスEmpty Dressyがノーコードでフルリニューアル(エンプティ株式会社)
ノーコードツールに関するよくある質問(FAQ)
ノーコードツールの導入を考える企業の多くが、機能面や運用面に不安を抱えています。
せっかく導入しても「思ったように使えなかった」とならないよう、よくある疑問を事前に解消しておくことが重要です。
そこで今回は、実際に寄せられることの多い3つの質問を取り上げ、それぞれのポイントをわかりやすく解説していきます。
- ノーコードとフルプログラミングの使い分けはどう考えるべき?
- 大規模開発や複雑な機能追加にはどこまで対応できる?
- セキュリティ面の不安はどう解消すればいい?
ノーコードと完全プログラミングの住み分けは?
ノーコードとフルプログラミングは、開発の目的や求める機能によって適切に使い分けることが大切です。
ノーコードは、業務アプリやWebフォームのような比較的シンプルな機能を素早く構築したい場面で力を発揮します。
スピード重視の業務改善や、プロトタイプの作成などに向いています。
たとえば、見積書の自動生成や顧客情報の登録といった業務は、ノーコードツールを使えば十分に効率化が可能です。
一方で、処理が複雑だったり、高度なロジックを含んでいたり、セキュリティ要件が厳しいシステムを構築する場合には、プログラミングが必要になることがあります。
たとえば、見積書の自動作成や顧客情報の登録といった業務は、ノーコードで十分に効率化できます。
しかし、外部サービスとのリアルタイム連携や、アクセス数の多い大規模システムを開発する場合は、柔軟性の高いコードベースの開発が向いているといえるでしょう。
大規模開発や複雑なカスタマイズはどこまで可能ですか?
ノーコードツールの多くは、定型的な業務やシンプルなアプリケーションの構築に適しています。
ただし、ツールによっては拡張機能やプラグインを活用することで、ある程度のカスタマイズやシステム連携にも対応できます。
たとえば、API連携に対応したツールであれば、外部の会計システムやCRMとデータを連動させることが可能です。
また、一部のツールではJavaScriptやCSSなどのコードを追加でき、UIや処理ロジックを調整する柔軟性も備えています。
ただし、大規模システムのすべてをノーコードだけで構築するのは難しい場合があるため、複雑な設計が必要な場合は、ローコードやフルプログラミングとの併用も視野に入れてください。
セキュリティ面は安心できますか?
ノーコードツールであっても、セキュリティ対策はしっかりと意識されています。
とはいえ、どのツールを選ぶかによって対応のレベルや範囲には差があるため、導入前に内容をしっかり確認することが欠かせません。
アクセス権の管理、通信データの暗号化、操作履歴の記録など、基本的なセキュリティ機能が備わっているかをチェックし、社内のセキュリティルールを満たせるかを確認しましょう。
たとえば、社内で顧客情報を扱うアプリを構築する場合、ユーザーごとに閲覧や編集の権限を細かく設定できることが求められます。
さらに、通信が暗号化されているかどうか、誰がどの操作を行ったかが記録される操作ログが残るかどうかも、事前に確認しておく必要があります。
情報漏えいを防ぎ、安心してツールを運用していくためには、セキュリティ面で信頼できる製品を選ぶことが重要です。
まとめ
本記事では、ノーコード・ローコードの基礎知識からメリット・デメリット、導入時の注意点、将来性や最新トレンドまでを幅広く解説しました。
- ノーコード・ローコードは、専門知識がなくても業務アプリやWebサービスを短期間で構築できる開発手法
- 用途に応じて必要な機能が異なるため、導入前に目的を明確にすることが重要
- 運用・保守体制や社内教育、セキュリティ対策など複数の観点から準備が必要
ノーコードツールの導入効果をしっかり引き出すには、まず自社が抱えている業務課題を具体的に洗い出し、それに合ったツールを選ぶことがスタートラインになります。
加えて、継続的に運用できる体制を整えたり、社内でツールを使いこなせるよう教育の場を設けたりすることも重要です。
はじめからすべてを変えようとするのではなく、まずは身近な業務の一部から取り組み、スモールスタートで成果を実感するのが現実的な進め方といえます。
「まずは試してみたい」と思った方には、無料トライアルを提供しているプラスAppsがおすすめです。
