MENU

【初心者OK】エクセルでできるアンケート集計超入門|関数・グラフの使い方も解説

「アンケート結果ってどうやってエクセルで集計すればいいの?」
「グラフや関数が苦手で、集計ミスが不安…」
そんな悩みを感じていませんか?

この記事でわかること
  • エクセルでのアンケート集計の基本的な流れ
  • 単純集計やクロス集計のやり方
  • エクセルでのアンケート集計を効率的にする方法
  • エクセル以外での集計方法

エクセルは、多くの企業や個人が日常的に使っている表計算ソフトですが、アンケートの作成からデータ集計、グラフ化まで対応しているため、特別なツールを導入しなくても手軽にアンケート調査を始められます。

とはいえ、「エクセルでの集計は手作業が多くて大変そう…」と感じる方もいるでしょう。

しかし、エクセルには、初心者でも簡単に使えるCOUNTIF関数やピボットテーブルといった便利な機能が備わっています。

これらの機能を適切に使いこなせば、膨大な回答データも効率の良い集計が可能です。

さらに、グラフ機能を使えば、集計したデータを視覚的にわかりやすくし、アンケート結果を効果的に伝えられます。

本記事を読むことで、エクセルを使ったアンケートの作成方法から、データの集計、そして効果的なグラフ化まで理解でき、アンケート集計がよりスムーズに進められるようになるでしょう。

目次

エクセルでのアンケートの作り方と流れ

エクセルでのアンケート作成は、基本的な操作さえ押さえれば比較的スムーズに行えます。

作成からデータ集計までの流れを理解しておけば、誰でも効率的にアンケートを作り、結果を分析できるでしょう。

具体的なアンケート作成と運用の流れは以下の通りです。

  • アンケートの目的と目標を明確にする
  • 質問項目と回答形式を設計する
  • エクセルでアンケートフォームを作成する
  • データの入力と集計方法を検討する
  • アンケートを実施する
  • データを分析し、結果をまとめる

これらのステップを順を追って実践することで、目的に合ったアンケートを効率よく構築でき、必要な情報を的確に収集できます。

なお、最初の「目的と目標」をしっかりと定めておくことで、質問内容のブレを防げます。

また、質問項目と回答形式の設計では、回答者がストレスなく答えられるように配慮することが大切です。

さらに、エクセルでフォームを作成する際は、セルの結合や罫線、プルダウンリストなどの機能を活用すると、視認性の高いフォームに仕上がります。

効果的なエクセルアンケート作りのポイント

エクセルでアンケートを作るなら、集計のしやすさだけでなく、回答率を高める工夫も必要です。

相手にとって答えやすい内容になっているかを見直してみましょう。
以下のようなポイントを意識すると、より実用的なアンケートになります。

  • 質問内容は簡潔にまとめる
  • 回答者の対象を明確にする

それぞれのポイントについて詳しく説明します。

簡単な内容にする

アンケートの内容を簡潔にすると、回答者の負担が軽くなり、結果として回答率の向上が見込まれます。

特に、質問文には誰でも理解できるような言葉を選ぶことが重要です。

特に専門用語や業界用語の使用は避け、具体的に何について尋ねているのかが明確になるように表現を工夫してください。

たとえば、「貴社のソリューション導入におけるROIについて」といった表現は、「サービスの導入で得られた効果について」のように、よりわかりやすく言い換えるのがいいでしょう。

また、質問数が多すぎると、回答者が途中で飽きて回答をやめてしまう可能性があるため、質問の数は必要最小限に抑えることが大切です。

ターゲットをしぼりこむ

アンケートのターゲットをしぼりこむと、より的確な情報を集められます。

誰に回答してもらいたいのかを明確に定義し、そのターゲット層に合わせた質問内容を設計しましょう。たとえば、新商品の市場調査を行うなら、その商品を購入する可能性のある年齢層や興味を持つであろう層をターゲットにします。

ターゲット層が明確でないと、質問内容が漠然としたものになり、得られる回答もあいまいになりかねません。

事前にターゲット層の興味や関心、抱えている課題などを推測し、それらに合致する質問を具体的に盛り込みましょう。

エクセルでアンケートを集計する3つの方法

エクセルでアンケートを集計する方法はいくつかあり、目的に合わせて使い分けるのが重要です。

効率良くデータを分析するために、以下の3つの方法を理解しておきましょう。

  • 単純集計
  • クロス集計
  • 自由記述(数値データ・文章や単語)の集計

それぞれの集計方法について、詳しく見ていきましょう。

単純集計

単純集計は、質問項目ごとの回答数を集計し、全体の傾向を把握する基本的な方法です。

たとえば、「商品Aの満足度」について「満足」「やや満足」「どちらでもない」「やや不満」「不満」の5段階で質問した場合、それぞれの回答件数を集計する必要があります。
このような集計には、エクセルのCOUNTIF関数を使うと便利です。

特定の条件に一致するセルの数を手軽にカウントできるため、集計作業の効率が上がります。

さらに、より詳しく分析したいときは、ピボットテーブル機能の活用がおすすめです。
回答の件数だけでなく、全体に対する割合も自動で算出してくれるため、データの傾向がひと目でわかります。
加えて、そのままグラフ化も可能なので、視覚的にも伝わりやすい資料が作成できます。

単純集計は、アンケート全体の傾向を把握する上で、最初のステップとして活用しましょう。

クロス集計

クロス集計は、複数の質問項目を組み合わせて集計し、回答間の関連性や特定の属性における傾向を分析する方法です。

たとえば、「商品Aの満足度」と「年代」を組み合わせて集計すると、「20代の満足度は高いが、50代では不満が多い」といった、より詳細な情報を得られます。

エクセルではピボットテーブル機能を使うと、行と列にそれぞれ集計したい項目を設定するだけで、簡単にクロス集計が可能です。

これにより、特定の顧客層のニーズや課題を発見し、マーケティング戦略や商品改善に役立てられます。

自由記述(数値データ・文章や単語)の集計

自由記述の集計は、数値データと文章や単語で方法が異なります。

数値データの場合は、平均値や中央値、最大値、最小値などを計算し、回答の分布や偏りを把握しましょう。

エクセルのAVERAGE関数やMEDIAN関数、MAX関数、MIN関数などが役立ちます。

一方、文章や単語の自由記述は、質的な情報であるため、そのままでは集計が難しいです。

このような場合は、まず回答を読み込み、共通するキーワードやテーマを抽出する「テキストマイニング」という手法を使います。

たとえば、「商品Aへの要望」に関する自由記述で、「使いやすさ」「価格」「デザイン」といった単語が多く見られる場合、それらが主要な要望であると推測できます。

エクセルを使う場合でも、特定のキーワードを検索したり、COUNTIF関数で登場回数を数えたりすることで、ある程度の傾向分析は可能です。

ただし、文章の意味や文脈を読み取って細かく分類したい場合には、専用のテキストマイニングツールを活用したほうが、効率も精度も高まるでしょう。

エクセルを使用した単純集計表の作成方法

エクセルでアンケートの単純集計表を作成する手順は、それほど複雑ではありません。

以下の5つの手順を踏めば、誰でも簡単に集計表を作れます。

  • STEP1:アンケートのローデータを整える
  • STEP2:集計表の枠組みを作成する
  • STEP3:COUNTIF関数で集計する
  • STEP4:複数条件がある場合はCOUNTIFS関数を使う
  • STEP5:割合や合計を算出し、見やすく整える

STEP1:アンケートのローデータを整える

アンケートのローデータとは、回答者から得られた生のデータです。

これを集計しやすい形に整えるのが最初のステップです。

たとえば、オンラインアンケートツールからエクセルにダウンロードしたデータや、紙のアンケートを手入力したデータが該当します。

まず、各質問の回答が1つの列に収まるようにデータを整理しましょう。

もし、選択式の質問で「その他」の自由記述がある場合は、内容を確認し、必要であれば別のカテゴリとしてまとめるなどの処理も検討してください。

また、誤字脱字や表記ゆれがある場合は、後続の集計に影響するため、ここで修正しておくとよいでしょう。

STEP2:集計表の枠組みを作成する

次に、集計結果をまとめるための表の枠組みを作成します。

新しいシートに、集計したい質問項目を縦軸(行)に、各回答選択肢を横軸(列)に配置しましょう。

たとえば、「満足度」の質問であれば、縦軸に「満足度」、横軸に「非常に満足」「満足」「普通」「不満」「非常に不満」といった選択肢を並べます。

回答数の合計や割合を算出するための列も追加しておくと、後でスムーズに作業を進められます。

この段階で、見出しや罫線などを設定し、視覚的にわかりやすい表を目指すとよいでしょう。

STEP3:COUNTIF関数で集計する

集計表の枠組みができたら、COUNTIF関数を使って各選択肢の回答数を集計します。

COUNTIF関数は、指定した範囲内で、特定の条件に合致するセルの数を数える関数です。

具体的な使い方は以下の通りです。

=COUNTIF(範囲, 検索条件)

たとえば、アンケートの満足度の回答が「A列」に入力されており、「非常に満足」の数を数えたい場合は、以下のようになります。

=COUNTIF(A:A, “非常に満足”)

この関数をそれぞれの回答選択肢のセルに入力し、該当する回答数を算出します。

STEP4:複数条件がある場合はCOUNTIFS関数を使う

もし、複数の条件を満たす回答数を集計したい場合は、COUNTIFS関数を使います。

COUNTIFS関数は、複数の条件を同時に満たすセルの数を数える関数です。

具体的な使い方は以下の通りです。

=COUNTIFS(範囲1, 検索条件1, 範囲2, 検索条件2, …)

たとえば、「性別が男性」で「満足度が非常に満足」の回答数を数えたい場合、性別のデータが「B列」、満足度のデータが「A列」にあるとして、以下のようになります。

=COUNTIFS(B:B, “男性”, A:A, “非常に満足”)

このように、COUNTIFS関数を使えば、より詳細な条件でデータを絞り込み、集計できます。

STEP5:割合や合計を算出し、見やすく整える

最後に、集計した回答数から割合を算出し、表全体を見やすく整えます。

割合の計算は、「各回答数 ÷ 回答総数」の式で求められ、これをパーセンテージで表示すれば、視覚的にも把握しやすくなるでしょう。

なお、回答の総数を求めるには、COUNTA関数(空白でないセルの数をカウント)や、SUM関数(数値の合計を算出)を使う方法があります。

たとえば、A列の回答総数を求める場合は「=COUNTA(A:A)」と入力してください。

また、表全体に罫線を引いたり、セルに色をつけたり、文字の位置を整えたりするだけでも、仕上がりの印象が大きく変わります。
こうした見た目の工夫を加えることで、誰が見てもわかりやすい集計表に仕上げられるでしょう。

さらに、必要に応じてグラフを作成すれば、データの傾向や分布が一目で伝わるようになり、報告書やプレゼン資料にも活用しやすくなります。

エクセルを使用したクロス集計表の作成方法

ここでは、エクセルを使ったクロス集計表の作成方法について解説していきます。

以下の手順で、クロス集計表を作成してみましょう。

  • STEP1:ローデータを整える
  • STEP2:ピボットテーブルを挿入する
  • STEP3:知りたい情報に合わせて行・列・値を設定する
  • STEP4:クロス集計表を整える
  • STEP5:必要に応じてグラフ化する

STEP1:ローデータを整える

クロス集計を行う前には、まずアンケートのローデータをきちんと整えておくことが重要です。
これは、単純集計の場合と同様で、各設問の回答がそれぞれ独立した列に整理されており、空白や表記ゆれがない状態が理想といえます。

特にクロス集計では、複数の列を組み合わせて分析を行うため、データの整合性が非常に重要になってきます。
もし元データに不一致や入力ミスがあると、正確な集計ができなくなってしまう可能性があるため注意が必要です。

たとえば、「性別」の項目で「男性」「女性」と表記が統一されているか、また「年齢」がすべて数値で入力されているかなどを事前にチェックしておくと安心です。
そのうえで、必要に応じて表記の統一やデータの修正を行っておくと、クロス集計がスムーズに進められるでしょう。

STEP2:ピボットテーブルを挿入する

ローデータが整ったら、ピボットテーブルを挿入します。

まず、集計したいデータ範囲全体を選択してください。次に、エクセルのリボンメニューから「挿入」タブをクリックし、「ピボットテーブル」を選択します。すると、「ピボットテーブルの作成」ダイアログが表示されます。

ここでは、データ範囲が正しく選択されているか確認し、「新しいワークシート」を選択して「OK」をクリックしましょう。

これにより、新しいシートにピボットテーブルの編集画面が表示されます。

STEP3:知りたい情報に合わせて行・列・値を設定する

ピボットテーブルの編集画面が表示されたら、右側に表示される「ピボットテーブルのフィールド」リストから、集計したい項目をドラッグアンドドロップで配置します。

たとえば、「性別」と「満足度」をクロス集計したい場合、以下のように設定します。

  • 行:性別(または満足度)
  • 列:満足度(または性別)
  • 値:回答数(質問項目の中から任意のものを「値」にドラッグし、「値フィールドの設定」で「データの個数」を選択)

このように設定すると、行と列に選択した項目が配置され、それぞれの交差部分に該当する回答数が自動で表示されます。

STEP4:クロス集計表を整える

ピボットテーブルで作成されたクロス集計表は、デフォルトの状態だと見にくい場合があります。

必要に応じて、以下のように整えましょう。

表示形式の変更値の表示形式を「%(パーセンテージ)」に変更すると、割合が一目でわかりやすくなる。値フィールドの設定から「表示形式」タブで設定可能。
小計・総計の表示/非表示不要な小計や総計は非表示にすると、表がすっきりする。ピボットテーブルの「デザイン」タブから設定を変更可能。
行・列ラベルの変更「行のラベル」「列のラベル」といったデフォルトの表示を、わかりやすい名称に変更する。
デザインの適用ピボットテーブルのデザインツールを活用して、罫線や背景色を設定し、見やすい表にする。

これらの調整で、分析結果を伝えやすいクロス集計表が完成します。

STEP5:必要に応じてグラフ化する

クロス集計表は、そのまま見ても傾向を把握できますが、グラフにするとさらに視覚的にわかりやすくなります。

ピボットテーブルを選択した状態で、エクセルの「挿入」タブから「ピボットグラフ」を選択してください。

棒グラフや円グラフなど、分析目的に合ったグラフの種類を選びましょう。

たとえば、年代別の満足度の比較であれば積み上げ棒グラフが適しています。

グラフのタイトルや軸のラベルを適切に設定し、色分けなどを工夫すると、データの傾向や特徴を直感的に伝えられます。

グラフ化することで、集計結果をより効果的にプレゼンテーションできるでしょう。

エクセルでのアンケート集計に使える関数

エクセルでアンケートを集計するには、目的に合った関数を使い分けることが大切です。

回答数や平均値、合計など、集計内容に応じて関数を選びましょう。

以下に、アンケート集計に役立つ関数を紹介します。

  • COUNTIF関数
  • COUNTIFS関数
  • SUM関数
  • SUMIF(S)関数
  • AVERAGE関数
  • AVERAGEIF(S)関数

それぞれの関数の使い方と、アンケート集計での活用例を解説していきます。

COUNTIF関数

COUNTIF関数は、指定した範囲内で、特定の条件に合致するセルの数を数える関数です。

単純集計で、各選択肢の回答数を算出する際に役立ちます。

関数の書式は次の通りです。

=COUNTIF(範囲, 検索条件)

たとえば、セルA列に「性別」の回答が入力されており、「女性」の回答数を数えたい場合は「=COUNTIF(A:A, “女性”)」と入力。

これにより、女性と回答した人の数がすぐにわかります。

アンケートの回答選択肢ごとにこの関数を使えば、全体の回答割合を簡単に把握できます。

COUNTIFS関数

COUNTIFS関数は、複数の条件をすべて満たすセルの数をカウントするための関数です。
クロス集計のように、複数の質問項目を掛け合わせて集計したいときに、とても役立ちます。

関数の基本的な書式は以下の通りです。

=COUNTIFS(範囲1, 検索条件1, 範囲2, 検索条件2, …)

たとえば、セルA列に「性別」、セルB列に「年代」のデータがあるとします。

「女性」かつ「20代」の回答数を数えたい場合は、「=COUNTIFS(A:A, “女性”, B:B, “20代”)」と入力してください。

これにより、特定の属性を持つ回答者の数を正確に把握でき、より詳細な分析が可能です。

SUM関数

SUM関数は、指定した範囲内の数値の合計を算出する関数です。アンケートで点数や評価などを数値で回答してもらった場合に、それらの合計点を求められます。

関数の書式は次の通りです。

=SUM(数値1, 数値2, …)

たとえば、セルC列に商品評価の点数(1点〜5点)が入力されている場合、全体の合計点を求めたいときは「=SUM(C:C)」と入力します。

これにより、アンケート結果の総体的な評価を数値で確認できます。

SUMIF(S)関数

SUMIF関数は、単一の条件に合致する数値の合計を算出します。

一方、SUMIFS関数は複数の条件に合致する数値の合計を算出する関数です。

これらは、特定の条件下の合計値を求めたい場合に役立ちます。

SUMIF関数の書式は次の通りです。

=SUMIF(範囲, 検索条件, 合計範囲)

SUMIFS関数の書式は次の通りです。

=SUMIFS(合計範囲, 範囲1, 検索条件1, 範囲2, 検索条件2, …)

たとえば、セルA列に「性別」、セルC列に「購入金額」が入力されているとします。

男性の購入金額の合計を知りたい場合は「=SUMIF(A:A, “男性”, C:C)」と入力しましょう。

もし「女性」かつ「リピーター」の購入金額の合計を知りたい場合は、SUMIFS関数を使って「=SUMIFS(C:C, A:A, “女性”, D:D, “リピーター”)」のように指定できます。

AVERAGE関数

AVERAGE関数は、指定した範囲内の数値の平均値を算出する関数です。

アンケートで数値データを得た場合に、全体の平均的な傾向を把握するのに使えます。

関数の書式は次の通りです。

=AVERAGE(数値1, 数値2, …)

たとえば、セルE列に「サービスへの満足度」(10点満点)が入力されている場合、全体の平均満足度を求めるときは「=AVERAGE(E:E)」と入力します。

これにより、回答者全体の平均的な評価を数値で把握できるでしょう。

AVERAGEIF(S)関数

AVERAGEIF関数は、1つの条件に一致する数値だけを対象に平均値を計算する関数です。
一方で、AVERAGEIFS関数は、複数の条件をすべて満たす数値の平均を算出する際に使われます。

たとえば、特定の属性を持つ回答者の評価点や満足度の平均を知りたいときには、これらの関数が非常に便利です。

それぞれの基本的な書式は以下の通りです。

=AVERAGEIF(範囲, 検索条件, 平均対象範囲)

AVERAGEIFS関数の書式は次の通りです。

=AVERAGEIFS(平均対象範囲, 範囲1, 検索条件1, 範囲2, 検索条件2, …)

たとえば、B列に「年代」、F列に「商品の評価点」が入力されているとします。

「30代」の評価点の平均を出したい場合は、=AVERAGEIF(B:B, “30代”, F:F)と入力すれば求められます。

さらに、「男性」かつ「リピーター」といったように、複数の条件を指定したい場合には、AVERAGEIFS関数がいいでしょう。
この場合は、=AVERAGEIFS(F:F, A:A, “男性”, D:D, “リピーター”)のように記述することで、条件を満たす人の評価点の平均を計算できます。

このように、条件に応じて関数を使い分けることで、より柔軟かつ的確なデータ分析が可能になります。

エクセルでのアンケート結果のグラフ化と見せ方のポイント

アンケート結果をグラフ化すれば、数値だけでは伝わりにくい傾向や違いが一目で伝わるようになります。

ここではグラフを作る手順とわかりやすく見えるコツについて解説していきます。

  • Excelでグラフを作る手順
  • わかりやすいビジュアルを作るコツ

Excelでグラフを作る手順

エクセルでグラフを作成する手順は、以下の通りです。

  1. グラフにしたいデータ範囲を選択
  2. 「挿入」タブをクリック
  3. 「グラフ」グループの中から、作成したいグラフの種類を選択

たとえば、回答の割合を示すなら「円グラフ」、時系列の変化や項目の比較なら「棒グラフ」や「折れ線グラフ」が適しています。

グラフを選択すると、選択したデータに基づいて自動的に作成され、その後はサイズや位置を自由に調整できます。

わかりやすいビジュアルを作るコツ

グラフを見せる目的は、データの傾向をわかりやすく伝えることです。

そのためには、見た目の工夫も欠かせません。

以下のポイントを意識して整えていきましょう。

  • 棒グラフや円グラフなど、内容に合った種類を選ぶ
  • 色は最大5色程度に抑え、統一感を持たせる
  • 文字は12pt前後で、読みやすいフォントを使う
  • データラベルを使って数値を明示する
  • 凡例や軸ラベルを省略せず、意味が伝わるように書く

たとえば、縦棒グラフで満足度別の件数を比較するなら、各棒の上に件数を表示しておくと、細かな数値の違いも把握しやすくなります。
ビジュアルにひと手間かけるだけで、資料全体の印象も大きく変わります。グラフの目的と読者を意識しながら、伝わるデザインを心がけましょう。

エクセルでのアンケート結果をグラフにする際の注意点

エクセルでアンケート結果をグラフにする際には、いくつか注意する点があります。

以下の2点に気をつけてグラフを作っていきましょう。

  • アンケート結果のデータは並び替えておく
  • 適切なグラフを選ぶ

それぞれのポイントを詳しく説明します。

アンケート結果のデータは並び替えておく

グラフを作成する前に、アンケート結果のデータを適切に並べ替えておくのが大切です。

たとえば、アンケートで「満足度」を5段階で評価してもらった場合、「非常に満足」から「非常に不満」の順に並べ替えると、グラフの傾向がより明確になります。

また、年代や性別などの属性データも、若い順や男性・女性といった順番に並べ替えると、視覚的に比較しやすくなります。

データが整理されていないと、グラフがごちゃごちゃして見えたり、誤った解釈につながったりするかもしれません。

並べ替え機能やフィルター機能を活用し、わかりやすく整理してからグラフ作成に取りかかりましょう。

適切なグラフを選ぶ

グラフの種類は、集計したい内容に応じて選びましょう。目的に合わないグラフを選ぶと、正確な情報が伝わらなくなります。

たとえば、割合の比較をしたいときは円グラフが適しています。

一方、数値の増減やカテゴリごとの比較をしたいときは棒グラフや折れ線グラフが便利です。
「満足度の傾向」を見せたいときに円グラフを使っても、細かい分布は読み取りにくくなります。

グラフを選ぶ際は、以下の情報を参考にして見てください。

  • 割合:円グラフ
  • 件数:棒グラフ
  • 時系列:折れ線グラフ
  • 構成比の比較:積み上げ棒グラフ

伝えたい情報に合った形式を選び、見た人がひと目で理解できるように整えていきましょう。

エクセルでのアンケート結果をわかりやすくするための主要グラフ

アンケート結果を視覚的に伝えるには、内容に合ったグラフを選ぶことが欠かせません。

グラフにはそれぞれ適した役割があり、用途を見極めることで理解されやすい資料になります。

以下に、エクセルで使える代表的なグラフを紹介します。

  • 円グラフ
  • 帯グラフ
  • 棒グラフ
  • 折れ線グラフ
  • レーダーチャート
  • 散布図

どのような場面に適しているかを順に見ていきましょう。

円グラフ

円グラフは、全体のなかで各項目が占める割合を示すのに適したグラフです。

たとえば、「最も好きな色」のアンケート結果で、「赤」が30%、「青」が25%といったように、各選択肢の比率を直感的に把握できます。

ただし、項目数が多すぎると、個々の割合が見分けにくくなるため、5項目程度に絞るのがおすすめです。

また、データラベルで具体的なパーセンテージを表示すると、よりわかりやすくなります。

帯グラフ

帯グラフは、1本の帯を100%として、その中の各項目の割合を示すグラフです。

特に、複数のグループや期間にわたる割合の比較を行いたい場合に役立ちます。

たとえば、男女別の商品満足度の割合を比較する際に、男性の満足度と女性の満足度をそれぞれ1本の帯で表現し、その内訳(非常に満足、満足など)を色分けして示すと、両者の違いが明確になります。

円グラフと同様に、全体に対する割合を示すのに適していますが、複数のデータセットを比較する際に特に有効です。

棒グラフ

棒グラフは、項目ごとの数量や順位を比較するのに最もよく使われるグラフです。

アンケートでは、各質問の回答数や評価の点数などを比較する際に利用します。

たとえば、「商品Aと商品B、どちらの満足度が高いか」を比較したり、「各年代の回答者数」を示したりする場合に棒グラフは適しています。

棒の長さを比較するだけで、どの項目が多いのか、少ないのかを直感的に理解できるのが特徴です。

横棒グラフにすると、項目名が長くても見やすくなります。

折れ線グラフ

折れ線グラフは、時間の経過に伴うデータの変化や傾向を示すのに適したグラフです。

たとえば、「毎月の顧客満足度の推移」や「新商品発売後の売上変化」など、連続するデータの動きを表現する際に活用します。

複数の折れ線を重ねて表示すると、異なるグループや要素間の変化を比較できます。

アンケート結果を時系列で追跡し、改善策の効果を検証する際にも役立つでしょう。

レーダーチャート

レーダーチャートは、複数の評価項目について、それぞれの達成度や特徴を比較するのに適したグラフです。

中心から放射状に伸びる軸がそれぞれの評価項目を表し、結ばれた線で囲まれた図形が全体のバランスを示します。

たとえば、新商品の「デザイン」「機能」「価格」「使いやすさ」といった複数の評価軸に対して、アンケートで5段階評価を得た場合、レーダーチャートにすると、どの項目が強みで、どの項目が弱みなのかを視覚的に把握できます。

特に、自己評価や他者評価の比較、複数の競合製品の比較などに有効です。

散布図

散布図は、2つの異なる数値データの間にどのような関係性(相関関係)があるかを視覚的に示したいときに活用されます。
X軸とY軸にそれぞれの数値データを設定し、対応するデータ点をグラフ上にプロットしていきます。

たとえば、「商品購入額」と「顧客満足度」に関するアンケート結果を散布図にした場合、購入額が高いほど満足度も高いのか、それとも両者に明確な関係は見られないのか、といった傾向を視覚的に把握することが可能です。
このように、数値データ同士の相関を一目で確認できるのが、散布図の大きな特長といえるでしょう。

また、散布図は全体の傾向だけでなく、特定のパターンや外れ値(他のデータと大きく異なる値)を発見する際にも有効です。
分析の精度を高めたいときには、積極的に取り入れておきたいグラフのひとつです。

エクセル以外でアンケート集計を効率的にする方法

エクセルでアンケートを集計する作業は、件数が増えるほど手間がかかります。ミスや集計漏れを防ぎつつ、作業時間を短縮するには工夫が必要です。

自社内でエクセルを用いた集計だけでなく、以下のような方法を取り入れると、集計作業がぐっと効率化されます。

  • アンケートツールでの集計
  • 集計代行サービスを利用する
  • ノーコードツールを利用する

それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

アンケートツールでの集計

アンケートツールを活用すれば、データ入力から集計までの作業を自動化できます。
その結果、手作業でエクセルにデータを入力する手間が省けるため、作業工数を大きく削減できるでしょう。

たとえば、GoogleフォームやSurveyMonkeyなどのツールを使えば、回答内容がリアルタイムで自動的に集計されます。
件数や比率といったデータも、自動でグラフ化されるため、視覚的にも把握しやすくなります。
さらに、CSV形式で出力してエクセルに取り込めば、より詳細な分析も可能です。

また、設問ごとの回答形式(単一選択・複数選択・自由記述など)をあらかじめ設定しておくと、集計後のデータ整理がスムーズになります。
特に複雑なアンケート構成になる場合は、このひと手間が後々の作業効率に大きく影響してきます。

アンケートの作成から集計、分析までをスムーズに進めたい場合には、こうした専用ツールの導入を前向きに検討してみるとよいでしょう。

集計代行サービスを利用する

アンケートの件数が多く、自社だけでは対応しきれない場合には、集計代行サービスを活用するという選択肢もあります。
専門の業者に依頼することで、正確な集計結果を短期間で受け取れるでしょう。

たとえば、紙で実施したアンケートの手入力からデータ集計、さらにはグラフの作成までを一括で請け負ってくれる業者も存在します。
中には、報告書やプレゼン資料の作成まで対応してくれるところもあるため、作業負担を大きく軽減できるでしょう。

特に、人手が足りない状況や納期に余裕がない案件では、こうしたサービスが非常に役立ちます。
一方で、外部に依頼する以上、当然ながら費用が発生する点には注意が必要です。

そのため、業務量やアンケートの目的を踏まえたうえで、コストとのバランスを見ながら慎重に判断するとよいでしょう。

ノーコードツールを利用する

ノーコードツールを活用すれば、エクセルで行っていた定型的な集計業務をスムーズに自動化できます。
複雑なマクロやVBAの知識は必要なく、クリック操作だけでワークフローを構築できる点が大きな特長です。

たとえば、「CSVの読み込み → フィルタ → 件数の集計 → グラフ化 → PDF出力」といった一連の流れも、簡単な操作で自動化が可能になります。
さらに、条件分岐などの複雑な処理も、専用の画面で直感的に設定できるため、初心者でも扱いやすいのが魅力です。

特に、アンケート結果の集計のように定期的に発生する作業には相性がよく、業務をルーチン化しやすくなります。
その結果、手作業で行っていた工程を大幅に削減でき、作業効率の向上につながるでしょう。
ノーコードツール「プラスApps」は無料トライアルを提供しているので、まずは試してみたいという方は、この機会にぜひ利用してみてください。

プラスApps | DXを促進する業務改...
システム連携もノーコードで|業務アプリ作成ならプラスApps 設計ができるSIer・情シス向け。ノーコードで業務アプリとシステム連携を実現する「プラスApps」で効率化を加速。

エクセルでアンケート集計をする際によくある質問

エクセルでアンケートを集計するとき、多くの人がつまずくポイントがあります。

苦手意識があっても、ちょっとしたコツを知っておけばスムーズに作業を進められるでしょう。

ここでは、アンケート集計時によくある以下3つの質問と、その解決法を紹介します。

  • エクセルが苦手でもアンケート集計はできますか?
  • 逆転項目や未回答データはどのように処理すればいいですか?
  • 表記ゆれやデータ入力ミスを防ぐにはどうすればいいですか?

順に見ていきましょう。

エクセルが苦手でもアンケート集計はできますか?

可能です。
基本的な関数とピボットテーブルを覚えれば十分アンケート集計ができます。

最初はCOUNTIF関数から始め、慣れてきたらピボットテーブルも活用しましょう。

不安であれば、Googleフォームなどのアンケートツールや、集計代行サービスの利用もおすすめです。

逆転項目や未回答データはどのように処理すればいいですか?

アンケートの中に逆転項目がある場合は、集計を行う前にスコアを後から反転させると他の項目とスコアの向きが揃い、分析がしやすくなります。
たとえば、5点満点の評価で「1点=不満」となっている場合は、それを「5点」に変換するといった具合です。

こういった処理は関数やマクロ、ノーコードツールなどを用いて自動的に反転させれるようにしておくと、工数削減につながります。

また、未回答のデータについては、基本的に「欠損値」として扱うか、「無回答」というカテゴリで集計するのが一般的です。

表記ゆれやデータ入力ミスを防ぐにはどうすればいいですか?

表記ゆれや入力ミスを防ぐには、以下の対策が有効です。

  • 選択式回答の徹底: 自由記述を減らし、プルダウンリストなどを活用
  • 入力規則の設定: セルに入力できる値を制限し、誤入力を防ぐ
  • 複数人でのチェック: 重要なデータは複数人で確認

まとめ

本記事では、エクセルを使ったアンケート集計の基本から応用までを解説しました。

  • アンケートをエクセルで作成・集計する具体的な手順
  • COUNTIF関数やピボットテーブルを使った効率的な集計方法
  • グラフ機能を活用した視覚的にわかりやすい結果の伝え方

エクセルは普段から使い慣れている方も多く、特別なコストをかけずにアンケート調査を始められる便利なツールです。

この記事で紹介した関数やグラフ作成のポイントを押さえれば、初心者でも効率良くアンケートデータを分析し、結果をわかりやすく伝えられるでしょう。

しかし、アンケートの規模が大きくなったり、より高度な分析が必要になったりする場合には、エクセルだけでは限界を感じるかもしれません。

その際は、アンケートツールや集計代行サービス、あるいはノーコードツールの活用も検討してみてください。

これらを活用すれば、さらに効率的かつ専門的な分析が可能になります。

ノーコードツール「プラスApps」は無料トライアルを提供しているので、まずは試してみたいという方は、この機会にぜひ利用してみてください。

\ノーコードで業務アプリを作るならプラスApps/

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次